いま、日本社会は猛烈な速さで高齢化社会へ突き進み、全国各都道府県(市区町村)の自治体はその対応と対策に頭を悩ませています。なかでも、現在3,500万人を超えたと言われる65歳以上の人たちの健康維持に掛かるコストは年々驚異的な上昇をみせ、特に75歳以上の人たちに掛かる医療費は、国はもちろんのこと自治体の大きな財政負担となっています。
日本もこのような現状を踏まえ、諸外国に遅れながらも「予防医学」「未病」という分野に積極的に取り組み始めていますが、どういう対応・対策をするべきか、具体的な実践プログラムへの取り組みがようやく始まったのが現状です。その一番の解決策として「習慣的に運動をする」というごく当たり前の活動指針がありますが、総務省の調べによると、65歳以上でなんらかのサークル活動及びスポーツ(運動)を行っている人口(アク ティブシニア人口)は約2,000万人弱で、65歳以上の総人口の50%を超えていると発表されています。
では、65歳以上の方々が行っているスポーツとは、どんなものなのでしょうか。その種類別行動者率をみると第1位は「ウォーキング」で全体の約50%を占め、その数は約1,000万人を超えています。それに伴いスポーツ用品市場としても年々拡大を続け、ウォーキングシューズの生産・販売数はランニングシューズと肩を並べるまでになっています。また、近年ではクロスカントリースキーの夏場のトレーニングとして発達した、ストックやポールを使ったノルディックウォーキングが15年前にフィンランドから入ってきて以来、高齢者、女性の間で人気となり、新しいウォーキングスタイルの健康つくり、ウォーキングフットネストに注目が集ってきています。
しかし、こうした積極的にスポーツやウォーキングに勤しみ健康つくりに取り組んでおられる以外の方々は、どのような余
暇の過し方をされているのでしょうか。その数約2500万人、この高齢者の方々の健康維持、健康向上のための日常の過ご
し方こそが、喫緊の国家的課題となっていることは前述したとおりです。
健康の基盤を医食動とすれば「動」は運動であり、現代人が便利社会の中で置き忘れてしまった「歩く」という基本的な運動
です。この「動=歩行」は健康とスポーツの 間にあり、誰でも、どこでも、お金がかからず、好きな時、好きな量だけできる
「歩行=散歩(さんぽ)」です。 この散歩(さんぽ)の目的や機能効用は各人多種多様ですが、その活動は健康で幸せな人生にとって、必須不可欠な素晴らしい動であり、健康つくりへの道であることは確かでしょう。
私たちの組織・活動は、歩行運動に自由と楽しみを加味した「散歩(さんぽ)」により、国民の健康の維持増進を計り、国民の医療費削減に貢献できれば大変嬉しく思います。私たちの取り組みに、ご理解とご支援を心よりお願い申し上げます。
散歩=さんぽ を国際語にしたい。「相撲=すもう」「花火=はなび」「駅伝=えきでん」というように日本文化を諸外国に広めたいことから「さんぽか」と表記することにしました。一方、さんぽかの「か」は習慣化の化、病院にある各診療科の科、科学的な科、可能性の可、課題の課、変化の化、散歩で見つける花の花、一緒に歩くアスリートの華、等々多くのイメージと景色を楽しみ、風を楽しむ、リラックス、気分転換、散策するなどより、エンターテイメント性を追求していくことを目的として「さんぽか」と名付けました。
また「ぽか」は散歩することで身体がポカポカするというイメージと表記から感じる柔らかいイメージを持たせるという想いでつけました。
当法人は、運動(歩く・さんぽ)することにより健康増進(ヘルスケア)を図ることで、診療科の「科」と散歩(さんぽ)を合わせた「散歩科(さんぽか)」という新しい概念を確立しました。その活動は統計的根拠に基づいたプログラムであり、それを用いた健康つくりを目的としたイベントや教室を実施します。
このプログラムを実践・普及させることによって、人々に歩く運動習慣を身につけた健康市民つくりを目指します。また、そのプログラムを指導する人材を養成し、さらに広く国内外にこのプログラムを広め普及することを目指し、本事業を通じて地域の健康づくりと人々の幸福感創造に貢献することを目的とします。