健康の基盤を医食動とすれば「動」は運動であり、現代人が便利社会の中で置き忘れてしまった「歩く」という基本的な運動です。この「動=歩行」は健康とスポーツの 間にあり、誰でも、どこでも、お金がかからず、好きな時、好きな量だけできる「歩行=散歩(さんぽ)」です。 この散歩(さんぽ)の目的や機能効用は各人多種多様ですが、その活動は健康で幸せな人生にとって、必須不可欠な素晴らしい動であり、健康つくりへの道であることは確かでしょう。
運動(歩く・さんぽ)することにより健康増進(ヘルスケア)を図ることで、診療科の「科」と散歩(さんぽ)を合わせた「散歩科(さんぽか)」という新しい概念を確立しました。その活動は統計的根拠に基づいたプログラムであり、それを用いた健康つくりを目的としたイベントや教室を実施します。
このプログラムを実践・普及させることによって、人々に歩く運動習慣を身につけた健康市民つくりを目指します。また、そのプログラムを指導する人材を養成し、さらに広く国内外にこのプログラムを広め普及することを目指し、本事業を通じて地域の健康づくりと人々の幸福感創造に貢献することを目的とします。
いま、私たちはかつて経験をしたこともない高齢社会を迎え、さまざまな問題を抱えて
しまいました。高齢社会は長寿社会でもありますが、それには健康という条件が付かなけ
れば、人々が望む幸福な社会の実現にはなりえません。
人間が幸福を感じる最大のポイントは、家族や仲間と親しく語らい、笑い、元気に活動
することです。これらは、健康な身体と心が支えてくれるものですが、その基となるもの
は日常の暮らし方にあります。その中でも重要なファクターは、戸外に出て歩き行動する
ことです。「歩く」ことこそ健康を生み出し、健康生活を維持し、健康長寿を実現するた
めの「きほんのき」に他ならないと考えます。